脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症とは?

脊柱管狭窄症とは、頚部または腰部の神経圧迫症の一つであり、脊髄や神経根が通る脊柱管が狭窄することで起こる障害です。一般的には、年齢が進むにつれて進行し、中高年層に多くみられます。

主な原因としては、加齢や腰椎の変形などが挙げられます。腰椎の変形では、椎間板の変性や骨棘の発生などが原因とされています。このため、深刻な場合には手術が必要になることもあります。

最もよく見られる症状は、下半身の痛みやしびれ、また歩行時に足を引きずったりすることがあります。その他にも、排尿障害や便秘なども起こりえます。 適切な治療法としては、まずは安静を保ち炎症を抑える投薬を行うことが一般的です。次にリハビリテーションやストレッチを取り入れた運動療法を行い、筋肉強化や姿勢改善などを図ることが重要です。

右傾斜、左傾斜、後弯のような腰椎変形の場合、開放型手術や人工椎間板置換術などが行われることがあります。 しかし、手術の前段階であればまずは保存的治療を試してみることをおすすめします。治療法については専門医に相談することで適切な方法を採用することができます。早期発見・治療こそが最大の予防策と言えるでしょう。

脊柱管狭窄症の鍼灸治療

鍼灸治療もまた有効な治療法のひとつであることが確認されています。 鍼灸治療では、一般的に、「局所鍼」と「全身鍼」が用いられます。局所鍼は、患部周辺や付近に針を刺入する方法で、通常施術時間は30分程度です。全身鍼は、首・背中・腰・股関節など全身14箇所以上に針を刺入する方法であり、通常施術時間は60〜90分程度です。

このような施術によって得られる作用としては、まず末梢神経からの刺激が重要です。刺激された末梢神経から脳に伝達される信号が、痛みやしびれといった症状を改善する作用があります。また、刺激が筋力低下を引き起こす神経根に対して働くことで、改善が期待できるとされています。

しかしながら、鍼灸治療による効果の現れ方は個人差が大きくありますので、それぞれの患者さんに合わせた的確な施術が必要です。中には”お灸”などの熱刺激によって治癒を促す温熱法や、物理的圧迫を利用するマッサージ療法、吸玉療法(カッピングセラピー)といった吸引装置を使った治療も効果があります。

多岐にわたる鍼灸治療ですが、正確な診断と手厚いケア・指導のもと行われることで、脊柱管狭窄症の患者さんのQOL向上につながることは確かです。西洋医学だけでなく、代替医療の一つとして鍼灸治療を取り入れることも検討することをお勧めいたします。

棘突起間刺鍼
背骨の棘突起と棘突起の間に刺鍼し、微弱な電流を流すことで症状の緩和を目指します。

大腰筋刺鍼
背部から腰のインナーマッスル、大腰筋に3寸(9㎝)の鍼を刺鍼します。
大腰筋を緩めることで腰神経叢への影響が緩和され腰痛、坐骨神経痛、臀部痛に効果が期待できます。
また、腰神経叢は大腸や骨盤内臓器へつながるため、長引く下痢や便秘、不妊症にも良い影響があります。

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