陰部神経痛は座った姿勢で出現することが多いようですが、まれに寝ている姿勢でも出現する場合もおあるようです。女性の陰部神経痛(陰部神経障害、Pudendal Neuralgia)が臥位(寝た状態)でも出現する場合、以下のような原因が考えられます:
1.
神経の慢性的な絞扼や炎症が高度な状態
- 通常は座位で骨盤内構造に圧迫されて痛む陰部神経が、臥位でも痛むというのは、神経の慢性的な障害や炎症が進行している可能性があります。
- 神経が自発的に異常発火する「神経障害性疼痛(ニューロパチックペイン)」に移行している場合もあります。
2.
筋・筋膜性の関連痛
- **骨盤底筋の過緊張(Pelvic Floor Hypertonicity)**や、梨状筋症候群などで関連する筋肉からのトリガーポイントがあると、体位に関係なく痛みが出現することがあります。
- 臥位でも特定の筋や神経が引っ張られる・圧迫されることで症状が誘発されることがあります。
3.
姿勢や体位による神経の牽引
- 仰向けや横向きで寝る際の姿勢により、陰部神経や関連組織が牽引・圧迫される場合があります。特に仙棘靭帯・仙結節靭帯付近での絞扼があると、仰臥位でも症状が出ることがあります。
4.
椎間板ヘルニアや脊椎疾患の合併
- 腰仙部の椎間板ヘルニアや脊椎管狭窄症があると、陰部神経の根元(S2〜S4)に影響が及び、臥位でも神経根が刺激されることで陰部神経痛様症状が出ることがあります。
5.
血流や循環の問題
- 長時間同じ姿勢で臥位になることで、骨盤内の血流が停滞し、神経が過敏になることがあります。
- **うっ血性の神経障害(うっ血性ニューロパチー)**も稀に関与します。
まとめ
臥位でも陰部神経痛が出る場合には、神経の慢性障害・筋膜性の要因・脊椎疾患の影響などを考慮する必要があります。一般的な座位時の圧迫による陰部神経痛よりも複雑かつ慢性化している可能性が高いため、専門医(ペインクリニック・婦人科・整形外科)による診断が大切ですね。