気温が下がり始め、空気が乾燥してくると、毎年のようにニュースで耳にする「インフルエンザ流行期」。
今年もすでに学級閉鎖や職場での感染が増えてきています。
「手洗い・うがいをしているのに、なぜか毎年かかってしまう」──そんな方も多いのではないでしょうか。
実は、インフルエンザの感染を防ぐ鍵は“生活の小さな習慣”の積み重ねにあります。
この記事では、鍼灸師の視点から「体を整え、免疫を落とさない」ための誰にでもできる予防法を、最新の知見も交えて詳しくご紹介します。
■ なぜ冬にインフルエンザが流行するのか?
インフルエンザウイルスは「乾燥」と「低温」が大好きです。
湿度が40%を下回ると空気中で長く生き延び、さらに鼻や喉の粘膜が乾燥すると、ウイルスが侵入しやすくなります。
つまり、空気の乾燥 × 体の防御力の低下が重なる冬は、ウイルスにとって絶好の季節なのです。
また、冷えによる血流低下や自律神経の乱れも免疫力低下の原因になります。
「冷え」は単に寒いというだけでなく、**免疫細胞の働きを鈍らせる“内臓の冷え”**にもつながります。
だからこそ、体を温め、整えることが何より大切なのです。
■ ① 基本は「うがい・手洗い・加湿」──乾燥を防ぐのが第一歩
感染予防の基本である「うがい・手洗い」は、やはり最も効果的です。
特に手にはウイルスが最も多く付着します。
外出後・食事前・トイレ後は必ず石けんで20秒以上、爪の間や手首までしっかり洗いましょう。
✅ 加湿で粘膜を守る
のどの粘膜が乾燥すると、ウイルスが付着しやすくなります。
加湿器を使うほか、濡れタオルを干したり、マスクで湿度を保つのも有効です。
理想的な室内湿度は50〜60%前後です。
■ ② 「口の中を清潔に保つ」──歯磨きが新しい感染予防に
近年、医療界で注目されているのが**“丁寧な歯磨きによる感染予防”**です。
実は、口腔内の細菌が増えると、のどや気道の粘膜に炎症を起こし、ウイルスが侵入しやすくなることが分かってきました。
口の中は「免疫の第一関門」。
汚れや歯垢を放置すると、インフルエンザウイルスが体内に入りやすくなるだけでなく、
ウイルスが増殖しやすい環境をつくってしまいます。
✅ 歯磨きで感染を防ぐポイント
- 朝晩2回に加え、帰宅後や食後も軽くブラッシング
- 舌の表面(舌苔)もやさしくケア
- うがい薬よりも「歯ブラシと水」での清掃が基本
- 義歯(入れ歯)も毎日洗浄
特に、寝る前の歯磨きは免疫を守る第一歩。
睡眠中は唾液の分泌が減るため、細菌が繁殖しやすくなります。
口の中を清潔に保つことで、体内に侵入するウイルスを減らすことができるのです。
■ ③ 「体温を下げない」ことが最大の免疫対策
体温が1℃下がると、免疫力は約30%低下すると言われています。
体を温めることは、ウイルスに負けない体づくりの基本です。
✅ 冷え対策のポイント
- 首・手首・足首の「3つの首」を冷やさない
- 朝起きたら白湯を一杯飲む
- シャワーで済ませず、湯船で10〜15分温まる
- 足首・お腹・腰を温める服装を心がける
冷えが強い方は、鍼灸で「自律神経のバランス」を整えるのも有効です。
体の内側から血流が良くなり、免疫細胞が全身に巡りやすくなります。
■ ④ 睡眠・食事・ストレス──“生活リズム”が免疫を左右する
✅ 睡眠
睡眠中に免疫細胞は修復・再生されます。
6〜7時間の質の良い睡眠を確保し、夜更かし・スマホの光(ブルーライト)を避けましょう。
✅ 食事
免疫細胞の約70%は腸に存在します。
腸内環境を整えるために、発酵食品(納豆・味噌・ヨーグルト)や食物繊維(野菜・海藻・きのこ類)を積極的に。
また、ビタミンC・D・亜鉛は免疫を助ける重要な栄養素です。
柑橘類・きのこ・青魚・ナッツ類を意識して摂りましょう。
✅ ストレス
ストレスが続くと、自律神経が交感神経優位になり、免疫機能が抑えられます。
深呼吸や軽いストレッチ、入浴によるリラックスが効果的です。
心と体の緊張をゆるめることで、自然と免疫力は高まります。
■ ⑤ 鍼灸で整える「免疫の土台」
鍼灸治療には、体の巡りを整えて免疫機能を高める作用があります。
鍼の刺激が自律神経を安定させ、白血球の働きを活性化させることが研究でも明らかになっています。
にしむら鍼灸治療院では、
- 冬になると体調を崩しやすい方
- 手足の冷えが強く疲れやすい方
- ストレスで免疫が下がっている方
に向けて、体質に合わせた「免疫向上プログラム」を行っています。
冷えや疲労をため込まないことで、インフルエンザだけでなく風邪や胃腸炎にも強い体をつくることができます。
■ ⑥ 今日からできる! インフルエンザ予防チェックリスト
| チェック項目 | 実践度 |
|---|---|
| 手洗い・うがいを毎日している | □ |
| 歯磨きを丁寧にしている(舌もケア) | □ |
| 室内の湿度を50〜60%に保っている | □ |
| 湯船に毎日浸かっている | □ |
| 睡眠時間は6時間以上取れている | □ |
| 発酵食品・野菜を意識して食べている | □ |
| ストレスを溜めない工夫をしている | □ |
3項目以上チェックがつかない場合は、免疫が落ち気味のサイン。
今日から少しずつ生活習慣を整えていきましょう。
■ まとめ:体を「清潔・温め・整える」ことが最強の予防法
インフルエンザ対策は「うがい・手洗い」だけではなく、
口腔ケア・体温管理・生活リズムの安定がカギです。
そして、体の内側から免疫を高めることができる鍼灸は、自然な“予防医学”の一つとしてとても有効です。
にしむら鍼灸治療院では、体質に合わせた施術で「風邪をひかない体」をサポートしています。
免疫を高め、流行に負けない冬を過ごしましょう。












