― 夏の冷えが、首にくる ―
「朝起きたら首が動かない」「後ろを向くのが地獄のように痛い」
そんな寝違えの症状を訴えて来院される方が、夏場に急増します。
なぜ夏に?と思われるかもしれませんが、原因のひとつはエアコンによる冷えです。
「冷え」が筋肉と神経を固くする
私たちの身体は、冷えにとても敏感です。
とくに首や肩まわりには、僧帽筋・肩甲挙筋・胸鎖乳突筋など、頭と体を支える大切な筋肉群があります。ここに冷風が直接当たると、筋肉が収縮し続け、血流が悪化。結果として、酸素や栄養が届かず、筋肉が酸欠状態になります。
この状態で就寝中に無意識の寝返りを打ったり、首が不自然な角度で長時間動かされないままでいると、小さな筋損傷や筋膜の緊張が生じ、翌朝には「寝違え」として炎症と痛みが出るのです。
実際にあった臨床例
40代男性の会社員。夏場の寝違えを3回連続で経験。
原因は「枕元に直接エアコンの風が当たっていたこと」と「寝汗をかいたシャツを着たまま寝ていたこと」。
鍼灸治療で筋緊張の緩和と血流改善を行い、初回で可動域が7割以上回復、2回で痛みほぼ消失。
本人曰く、「寝違えって冷えが関係あるなんて、全く知らなかった」とのこと。
鍼灸が効く理由
寝違えの多くは、**筋肉と筋膜の炎症やスパズム(痙攣)**が原因です。
当院では、以下のようなアプローチを行っています:
- 筋緊張の原因筋を特定して鍼を打つ(肩甲挙筋・斜角筋・胸鎖乳突筋など)
- 痛みに関連する神経の走行に沿ってアプローチ(頸神経叢や後頭神経)
- 自律神経の調整を同時に行うことで、全身の回復力を高める
- 必要に応じてお灸で患部の深部まで温める
急性期の痛みでも、即効性があることが多いのが鍼灸の強みです。
こんな方は要注意!
以下の習慣がある方は、夏の寝違えリスクが高いかもしれません:
- エアコンの設定温度が24℃以下
- 風向きが首や背中に直接当たっている
- 首や肩が布団から出て寝ている
- 寝汗をかいてそのまま寝続ける
- デスクワークで首をほとんど動かさない
自宅でできる対策は?
- 風が直接当たらないよう、風向きを調整 or タイマーを活用
- 首・肩はなるべく冷やさない(タオルや薄手のストールでも可)
- 湯船につかる(冷えた筋肉をじっくり温めてリセット)
- 痛みがあるときは無理にストレッチしない
- エアコン+扇風機の併用で空気を循環させると◎
まとめ:寝違えは「単なる筋肉痛」ではない
「寝違えくらいで…」と軽視してしまう方も少なくありません。
しかし、繰り返す寝違えの背景には、筋肉の慢性的な緊張や姿勢のクセ、自律神経の乱れがあることも。
当院では、その場しのぎのケアではなく、「なぜ寝違えが起きたのか」にも着目して、根本改善につなげる施術を行っています。
お悩みの方へ
もし、今まさに首が痛くて動かない方、
何度も寝違えを繰り返している方は、お気軽にご相談ください。
冷えに強い首と肩を作って、夏を快適に過ごしましょう。