坐骨神経痛とは?
坐骨神経痛は、お尻から太もも、ふくらはぎ、足先にかけて広がる「坐骨神経」が圧迫や炎症を起こすことで生じる神経痛です。
多くの場合、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの腰椎疾患が原因となります。
症状は次のようなものが典型的です:
- お尻から足にかけての痛みやしびれ
- 長時間歩くと足がだるくなる(間欠性跛行)
- 立ち上がりや前屈動作での強い痛み
- 夜間に痛みが強まり眠れない
一般的にまずは整形外科で鎮痛薬や神経ブロック注射などが行われますが、薬だけでは改善しないケースも少なくありません。
薬で改善しないのはなぜ?
薬が効かない背景には、以下のような理由があります。
- 原因が神経の圧迫だけではない
- 坐骨神経の走行上にある梨状筋や殿部の筋緊張による圧迫(梨状筋症候群)
- 腰回りの筋膜の硬さや血流障害
- 慢性化による神経過敏
- 痛みが長期化すると脳や脊髄で「痛みの信号」が過敏になり、薬が効きにくくなる。
- 生活習慣の影響
- 長時間の座位や運転、運動不足による骨盤・腰椎の負担
- 自律神経の乱れや冷えによる血流障害
薬で改善しない坐骨神経痛に試すべき治療法
① 鍼灸治療
鍼灸は「筋肉の緊張を緩め、血流を改善し、神経の過敏を抑える」ことを目的とします。
- 大腰筋・梨状筋・殿筋群など、坐骨神経を圧迫しやすい筋肉にアプローチ
- ツボ(環跳・殷門・承扶など)に刺鍼し、神経の通りを改善
- お灸によって冷えを改善し、痛みを和らげる
近年の研究では、鍼灸が慢性腰痛や坐骨神経痛に効果的であるとするエビデンスも増えています。
② リハビリ・運動療法
- ストレッチ(梨状筋、ハムストリングス、大腰筋)
- 体幹筋トレーニングで腰椎の安定化
- 正しい歩行・姿勢の習慣づけ
薬に頼らない改善には「動かす」ことが不可欠です。
③ 体の使い方・生活習慣の見直し
- 長時間の座位を避ける、定期的な立ち上がり
- 硬い椅子や低すぎるソファを避ける
- 体を冷やさない(特に腰・殿部)
④ その他の治療選択肢
- 理学療法(温熱・牽引・電気療法)
- ブロック注射(短期的な痛み軽減には有効)
- 難治例では手術(狭窄やヘルニアの除圧)
鍼灸治療を選ぶべきケースとは?
- 病院で「手術適応はない」と言われたが痛みが続く
- 薬を長期内服しても改善しない
- 冷えや自律神経の乱れを伴っている
- 再発を繰り返している
鍼灸は 薬で改善しない慢性痛に強い という特徴があります。
体全体のバランスを整えながら痛みの根本改善を目指すため、「長年悩んでいたが改善した」という方も少なくありません。
まとめ
坐骨神経痛は薬だけで治るとは限りません。
筋肉・神経・血流・生活習慣など複合的な要因が絡むため、鍼灸や運動療法を組み合わせたアプローチが有効です。
「薬を飲み続けても改善しない…」と感じている方は、ぜひ一度鍼灸治療を検討してみてください。