① 抗炎症作用のある食品
慢性前立腺炎は「慢性炎症」と「骨盤周囲の血流不全」が関係しています。
炎症を抑える食材は、体の“火消し”役になります。
- 青魚(サバ・イワシ・サンマなど):オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)が炎症を抑制
- トマト:リコピンが前立腺の酸化ストレスを軽減
- ブロッコリー・キャベツなどのアブラナ科野菜:スルフォラファンが抗酸化作用
- ショウガ・ウコン(ターメリック):天然の抗炎症成分
- 緑茶(カテキン):抗酸化・抗菌作用
- ナッツ類(特にクルミ):良質な脂質と亜鉛を含む
② 前立腺の働きを助けるミネラル
- 亜鉛:精液・前立腺液に多く含まれ、抗炎症作用・免疫調整
→ 牡蠣、牛赤身肉、かぼちゃの種、レバーなど - セレン:細胞の酸化ダメージを防ぐ
→ にんにく、タマネギ、魚介類、玄米など
③ 血流を良くする食品
- タマネギ・ニンニク:硫化アリルが血流促進
- ビタミンEを含む食品(アーモンド、アボカドなど)
- カカオ70%以上のチョコレート(適量)
🔸避けた方がいい食べ物・飲み物
① 炎症を悪化させる可能性のあるもの
- 辛い料理(唐辛子・スパイス過多)
- アルコール(特にビール・焼酎)
- カフェイン(コーヒー・エナジードリンク)
- 酸味・刺激の強い飲み物(炭酸飲料など)
- 加工食品・スナック菓子・トランス脂肪酸
👉 これらは「膀胱・尿道・前立腺を刺激」し、痛みや違和感を悪化させることがあります。
🍽️ 日常の食事での工夫ポイント
- 和食中心で、魚>肉
- 炒め物よりも蒸し・煮る調理
- コーヒーやアルコールの代わりに麦茶・ルイボスティー・緑茶
- 毎日の食事に「トマト」「青魚」「ブロッコリー」「ナッツ」を少しずつ取り入れる
🍽️ 慢性前立腺炎に良い一週間の食事プランを考えてみました
🔸基本方針
- 和食中心(低脂肪・高抗酸化)
- 青魚・トマト・ブロッコリー・ナッツ・緑茶を毎日どこかに
- 刺激物・アルコール・コーヒーは控える
- 腸内環境を整えるために発酵食品を1日1回
🗓️ 【月曜日】
- 朝:納豆ご飯、味噌汁(わかめと豆腐)、緑茶
- 昼:サバの塩焼き、ブロッコリーのお浸し、玄米ご飯
- 夜:鶏むね肉と野菜の蒸し鍋(生姜入り)、冷ややっこ、麦茶
🗓️ 【火曜日】
- 朝:オートミール+豆乳+バナナ+くるみ
- 昼:豚しゃぶサラダ(ごまドレ)、トマトスープ、雑穀ご飯
- 夜:鮭のムニエル、キャベツと人参の温野菜、きのこ味噌汁
🗓️ 【水曜日】
- 朝:玄米おにぎり、具だくさん味噌汁、緑茶
- 昼:イワシの煮付け、ほうれん草の胡麻和え、きゅうりのぬか漬け
- 夜:豆腐ハンバーグ、トマトとブロッコリーのサラダ、麦ご飯
🗓️ 【木曜日】
- 朝:ヨーグルト+ブルーベリー+アーモンド
- 昼:鶏の照り焼き、キャベツ千切り、根菜の煮物、味噌汁
- 夜:カレイの煮付け、生姜風味のほうれん草炒め、玄米
🗓️ 【金曜日】
- 朝:納豆トースト(納豆+刻みネギ+少量オリーブオイル)、味噌スープ
- 昼:鯖缶とトマトのパスタ(全粒粉パスタ)、ルイボスティー
- 夜:豆腐と野菜のキムチ風炒め(辛さ控えめ)、もやしスープ
🗓️ 【土曜日】
- 朝:雑穀おにぎり(梅入り)、具だくさん味噌汁、緑茶
- 昼:アジの南蛮漬け、冷やしトマト、五穀ご飯
- 夜:鶏とブロッコリーの中華風炒め(オリーブオイル使用)、豆腐スープ
🗓️ 【日曜日】
- 朝:バナナ+無糖ヨーグルト+クルミ+蜂蜜少々
- 昼:鶏むね肉のトマト煮込み、サラダ(アボカド・ブロッコリー)、玄米
- 夜:サンマ塩焼き、冷奴、生姜味噌汁、麦茶
☕ 間食・飲み物のポイント
- 間食:無塩ナッツ、ゆで卵、バナナ、カカオ70%以上のチョコ1〜2枚
- 飲み物:緑茶、麦茶、ルイボスティー、水(1日1.5L目安)
- コーヒー・アルコールは控えめ(週1〜2回程度まで)
💡補足メモ
- 炎症を抑える食事は効果が出るまでに数週間〜数ヶ月かかることがあります。
- 同時に、骨盤底筋のストレッチや温熱療法(お風呂・座浴)を続けると効果が高まります。
- 夜の食事後2時間は座りっぱなしにせず、軽いストレッチやウォーキングもおすすめです。
🔬参考文献
- Zhang Y. et al. (2020). Nutrients associated with chronic prostatitis/chronic pelvic pain syndrome: a review. Nutrition & Metabolism.
- 国立健康・栄養研究所「食と健康の情報」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「前立腺の健康を保つ食生活」