鍼灸院で行う「鍼に電気を流す治療(電気鍼・パルス治療)」は、
ここ数年で一般の方にも知られることが増えてきました。
しかし、実際にはこうした疑問が多く寄せられます。
- 電気を流すと何が変わるの?
- 置鍼(電気を流さない鍼)とどう違うの?
- どんな症状に向いているの?
今日は 科学的に分かっている効果 と 臨床的な実感 を交えながら、
“なぜ電気を流すのか”を専門的に、しかし分かりやすく解説します。
1. そもそも「電気鍼(パルス)」とは?
鍼に低周波の微弱な電流を流し、
筋肉を一定のリズムで収縮・弛緩させる治療です。
イメージとしては:
- マッサージ → 表面の筋肉
- 鍼 → 深部の筋肉にピンポイント
- 電気鍼 → 深部の筋肉を“動かしながら緩める”
という関係になります。
置鍼では「刺激を入れて後は待つ」のに対して、
パルス治療は “深部の筋肉を機械的にリズム運動させる” という違いがあります。
2. 電気を流すと何が起こるのか?
──3つの科学的メカニズム**
① 深部筋が効率よくゆるむ(ミオフィラメントの滑走改善)
筋肉はミオシン・アクチンという線維が固まることで硬くなります。
問題は、深層筋はマッサージで動かしにくいという点。
電気鍼では…
- 鍼が“筋紡錘(筋肉のセンサー)”に触れる
- 電気刺激で筋収縮が起こる
- アクチンとミオシンが強制的に動く
- 滑走性が改善して筋の硬さがほどける
というプロセスが起こります。
特に 多裂筋・腸腰筋・梨状筋 などは深層で手が届きにくく、
電気鍼の大きな適応になります。
② 痛みの回路(神経)が落ち着く
──「ゲートコントロール理論」**
痛みは“脳へ送られる信号の強さ”で変わります。
低周波刺激は、痛み情報を送るAδ線維・C線維よりも
太いAβ線維を優位に働かせることで、
→ 脊髄レベルで「痛みのゲートを閉じる」
→ 痛みの伝達が抑えられる
という仕組みが働きます。
その結果、慢性の神経痛や坐骨神経痛、前立腺炎に伴う骨盤痛などでも
電気刺激は鎮痛効果を発揮しやすいのです。
③ 血流改善 + 自律神経の安定
筋肉がポフッ、ポフッと動くことで
- 血管がポンプのように動く
- 酸素・栄養の供給が増える
- 痛み物質(ブラジキニン・サブスタンスP)が流れやすくなる
という循環改善が起こります。
加えて、
電気刺激には交感神経を落ち着かせる作用があるため、
- 倦怠感
- 頭痛
- 睡眠の不調
- 自律神経バランスの乱れ
にも効果的です。
3. 置鍼(電気なし)との違いは?
| 治療法 | 作用の仕組み | 特徴 |
|---|---|---|
| 置鍼 | 経絡刺激・自律神経調整・血流改善 | じんわり効く、リラックス系に強い |
| 電気鍼(パルス) | 筋肉の収縮→弛緩 / 神経抑制 / 血流促進 | 深部筋・慢性痛に強い、改善が早い |
結論:
**「深いコリ・筋緊張・神経痛」には電気鍼の方が圧倒的に有効。
反対に、 自律神経系・体質改善には置鍼が向く。**
症状によって使い分けるのが最も合理的です。
4. 電気鍼はどんな症状に向いている?
臨床では以下の症例で特に効果を実感しやすいです。
- 首・肩の強いコリ、頭痛、ストレートネック
- 慢性腰痛、ぎっくり腰、梨状筋症候群
- 坐骨神経痛・下肢のしびれ
- 食いしばり・顎関節症(咬筋・側頭筋へのパルス)
- 慢性前立腺炎・骨盤底筋の緊張
- スポーツでの筋疲労・コンディション調整
組織の深さ・原因部位・症状の性質によって、
置鍼か電気鍼か、または併用かを判断します。
5. にしむら鍼灸治療院の電気鍼の特徴
当院が大切にしているポイントは次の通りです。
✔ 正確な刺鍼(筋・トリガーポイントの同定)
筋の走行、神経ライン、ファシア(筋膜)の方向を把握したうえで、
必要な深さに、必要な角度で刺すことが最重要です。
✔ 痛みの発生源を特定する評価
筋・関節・神経・内臓由来のどこが原因かを見極め、
電気刺激が必要な場合のみ使用します。
✔ 不快な強さは使わない
電気の強さは“気持ちいい強さ”を基準に調整。
強すぎる刺激は治療効果を落とすため避けています。
✔ 自律神経まで見た治療設計
慢性前立腺炎・坐骨神経痛などは、
筋肉だけでなく自律神経との相互作用が強いため、
置鍼 + 電気鍼を組み合わせることも多いです。
まとめ
鍼に電気を流す理由はただ一つ。
「深いコリ・慢性痛を、より効率よく改善させるため」。
そしてその仕組みは、
- 深層筋の滑走改善
- 神経の興奮抑制(ゲートコントロール)
- 血流改善 + 自律神経の安定化
という、科学的に分かっている根拠に基づいています。
筋の深い硬さ・長引く痛みがある方には、
電気鍼は非常に有力な選択肢になります。
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