慢性前立腺炎。
英語では Chronic Prostatitis / Chronic Pelvic Pain Syndrome(CP/CPPS) と呼ばれています。
泌尿器科の検査では
「炎症所見なし」「前立腺はきれい」
そう言われたけれど、症状だけが何年も続いている。
こうした患者さんが、ここ数年、本当に増えたなと感じています。
「前立腺が原因じゃない気がする」
鍼灸院に来られる方の多くが、最初にこう言います。
「もう前立腺が悪い感じはしないんです」
実際にお話を聞いて、体を触ってみると、
前立腺そのものよりも、
- お尻の奥がやたら硬い
- 骨盤の動きがほとんど出ていない
- 呼吸が浅く、常に力が抜けていない
そんな共通点が目立ちます。
CP/CPPSという名前が示す通り、
問題は“前立腺”よりも“骨盤全体の痛みシステム”なのではないか
そう思うことが多いです。
鍼をしていて不思議に思う瞬間
会陰部の違和感を訴えていた方に、
直接その場所には一切触れず、
- お尻の深い筋肉
- 股関節の奥
- 腰の緊張点
に鍼をしただけで、
「あれ?今日は下が気にならない」
と言われることがあります。
毎回ではありませんが、
この瞬間に立ち会うたび、
「やっぱり前立腺だけの話じゃない」
と、あらためて感じます。
ストレスと症状の関係は、思っている以上に深い
CP/CPPSの方と話していると、
- 忙しい
- 休むのが苦手
- ずっと頭が働いている
そんな生活背景が見えてきます。
鍼をして、体が緩み、呼吸が深くなったあとに、
「久しぶりに何も考えてない感じがします」
と言われることがあります。
症状の改善よりも先に、
“力が抜ける感覚”が戻る。
これは慢性前立腺炎の回復過程で、とても大事なポイントだと思っています。
「治す」というより「戻す」
慢性前立腺炎を診ていて、最近は、
- 治す
- 取り除く
というより、
「本来の状態に戻す」
という表現のほうがしっくりきます。
骨盤が自然に動き、
神経が過敏になりすぎず、
必要以上に力が入らない体。
CP/CPPSは、
そのバランスが崩れた結果として出ている症状なのかもしれません。
最後に(院長のひとり言)
慢性前立腺炎は、
数字や検査だけでは語れない症状です。
だからこそ、
「異常なし」で片づけられてしまう。
鍼灸は万能ではありませんが、
体の声を静かに聞くには、相性のいい方法だと感じています。
このブログも、
誰かを説得するためではなく、
日々の臨床で感じたことのメモとして書いてみました。
同じような症状で悩んでいる方が、
「自分だけじゃないんだ」と思ってくれたら、それで十分です。
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