日々、患者さんの体に触れていて
「力が抜けないな」「緊張が抜けにくいな」と感じることがよくあります。
原因はさまざまですが、最近とくに思うのが
「もしかしてマグネシウム、足りてないのでは?」
あまり注目されませんが、マグネシウムは体にとって必須のミネラル。
不足すると、わりとハッキリ体にサインが出ます。
マグネシウムが不足すると、体はどうなる?
マグネシウムは
- 筋肉をゆるめる
- 神経の興奮を抑える
- エネルギーを作る
- 自律神経を安定させる
…と、裏方だけど重要な仕事をしています。
これが不足すると、こんな不調が出やすくなります。
- 肩や首がガチガチに固まる
- 足がつりやすい
- 寝つきが悪い・眠りが浅い
- イライラしやすい
- 顎の食いしばり、歯ぎしり
- 動悸、不安感が出やすい
「年のせい」「ストレスのせい」と片付けられがちですが、
実は栄養の問題だったということも少なくありません。
1日に必要なマグネシウム量って、どれくらい?
成人の場合、
1日あたり約300〜370mgが目安と言われています。
では、食べ物で例えるとどれくらいか。
- 玄米ごはん(茶碗1杯):約50mg
- 納豆(1パック):約50mg
- 木綿豆腐(1/2丁):約70mg
- アーモンド(20粒):約60mg
- ほうれん草(1束):約70mg
……こうして見ると、
「ちゃんと意識しないと届かない量」だというのがわかります。
しかも、毎日バランスよく食べ続ける必要があります。
なぜ現代人はマグネシウム不足になりやすいのか?
理由は、いくつか重なっています。
① 精製された食品が増えた
白米・白いパン・白砂糖。
精製の過程で、マグネシウムはほとんど削られてしまいます。
② ストレスで消耗する
ストレスがかかると、
マグネシウムは尿としてどんどん排泄されます。
③ 汗・アルコール・カフェイン
汗をかく、コーヒーをよく飲む、お酒を飲む。
これだけでも消耗は加速します。
④ 腸の吸収力が落ちている
胃腸の不調、薬の影響で
「食べていても吸収できていない」ケースも多いです。
じゃあ、昔の人はなぜ足りていたのか?
これも、答えはシンプルです。
- 玄米や雑穀を食べていた
- 野菜が今よりミネラル豊富だった(野菜の栄養価が下がっている、例えば育てる土壌の違い)
- 加工食品が少なかった
- 今ほど強いストレス環境ではなかった
つまり、
特別に意識しなくても、自然と摂れていたんですね。
今は逆で、
「意識しないと足りなくなる時代」になっています。
体をゆるめるには、まず“材料”が必要
鍼灸で体を整えるときも、
材料(栄養)が足りなければ、回復力は頭打ちになります。
マグネシウムは
力を抜く・回復する・休むためのミネラル。
「最近ずっと緊張が抜けないな」
「眠っても疲れが取れないな」
そんなときは、
体だけでなく、食べているものにも目を向けてみると
思わぬヒントが見つかるかもしれません。
……という、院長のつぶやきでした。
| 順位 | 食材名 | マグネシウム含有量(mg/100g) | ひとこと解説 |
|---|---|---|---|
| 1 | ひじき(乾) | 約640 | 昔の日本人のミネラル源 |
| 2 | あおさ(乾) | 約320 | 海藻はMgの宝庫 |
| 3 | わかめ(乾) | 約300 | 汁物で摂りやすい |
| 4 | ごま(乾) | 約370 | 少量でも高密度 |
| 5 | アーモンド | 約310 | 間食に最適 |
| 6 | カシューナッツ | 約290 | 甘みがあり食べやすい |
| 7 | かぼちゃの種 | 約260 | 実は超優秀 |
| 8 | ピーナッツ | 約200 | 食べすぎ注意 |
| 9 | 大豆(乾) | 約220 | 日本人向き |
| 10 | 納豆 | 約100 | 毎日続けやすい |
| 11 | 木綿豆腐 | 約130 | 絹より多い |
| 12 | 玄米 | 約110 | 白米の約5倍 |
| 13 | オートミール | 約100 | 朝食向き |
| 14 | ほうれん草 | 約70 | 加熱してもOK |
| 15 | 小松菜 | 約60 | カルシウムも豊富 |
| 16 | バナナ | 約30 | 即エネルギー |
| 17 | アボカド | 約35 | 脂質+Mg |
| 18 | サバ | 約50 | 神経の安定に |
| 19 | イワシ | 約45 | 青魚は相性◎ |
| 20 | ダークチョコ(高カカオ) | 約230 | ご褒美枠 |










