慢性前立腺炎で「腰が痛くなる」と感じる方がよくいらっしゃいます。これは決して珍しいことではなく、いくつかの理由があります。
① 神経のつながりによるもの(関連痛)
前立腺は、お腹の奥の方(骨盤の中)にある小さな臓器です。この前立腺と腰の神経はつながっていて、前立腺が炎症を起こすと、神経を通じて腰にまで痛みが広がることがあります。
② 骨盤まわりの筋肉がこってくる
慢性前立腺炎では、前立腺の周りの筋肉(特におしりや股のあたり)が緊張しやすくなります。その緊張が腰の筋肉まで広がって、腰に痛みや重だるさが出ることがあります。
③ 痛みをかばう姿勢で腰に負担がかかる
痛みや違和感のせいで、知らないうちに前かがみになったり、体をかばうような姿勢をとっていると、腰に余計な負担がかかって腰痛につながることがあります。
④ 自律神経の乱れも影響
慢性前立腺炎はストレスや緊張とも関係が深く、自律神経のバランスが崩れることで、筋肉がこわばって腰に痛みを感じることもあります。
つまり、前立腺そのものだけでなく、その周りの神経や筋肉、姿勢やストレスなどが関係して、腰の痛みとして感じられることがあるのです。
「前立腺の病気なのに腰が痛いのは変じゃないか?」と思われるかもしれませんが、前立腺炎による腰痛はよくあることですので、安心して治療を受けてくださいね。